ビジネス用語で、プロコン(Pros Cons)という言葉を耳にしたことが、あるかもしれませんが、
「プロコンの意味は?」
「ビジネスでどう使うのか?」
という疑問をお持ちではありませんか?
本記事では、そんな疑問の解決に役立つ内容を
- プロコン(Pros Cons)について
- プロコンの表の作り方と議論のやり方
- プロコンで分析する際のポイント
の順番に解説していきます。
プロコンをビジネスに取り入れたい人には役立つ記事になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
プロコン(Pros Cons)について
最初にプロコンの正式名称と意味、プロコンのビジネスの場での使い方について説明します。
プロコンの正式名称や意味は?
プロコンの正式名称は、「Pros Cons」です。
一般的に英単語として認知されていますが、「Pros Cons」は、ラテン語が起源で「賛成と反対」という意味です。
日本では、プロコンと言われることが多く、本来ディベートで用いられる言葉でしたが、賛成・反対、それぞれのポジションに分かれて論理的に議論を戦わせることを意味しています。
ビジネスの場では、コンサルティングファームをはじめとした外資系企業で使われることが多い言葉でしたが、現在では、さまざまなビジネスの場で使われています。
プロコンのビジネスでの使い方とは?
前述したようにプロコンは本来、ディベートで使われる言葉でしたが、ビジネスでは「メリットとデメリット」または「賛成と反対」といった比較検討する際の思考法として使われています。
製造業で求められることが多い「高品質で低コスト」を例にします。
「高品質で低コスト」は、両立が難しい問題ですが、プロコンは、このような二律背反と呼べる状況を成立するための意見を出し合い、それぞれの意見の「メリットとデメリット」または「賛成と反対」など、意見を対立させて議論を行い、最適な決断が行えるようにする思考法です。
プロコンを使うメリット
次にプロコンを使うメリットについて説明します。
ビジネスの意思決定に活用できる
プロコンは、前述したコンサルティングファームなどコンサルティングの現場など、業種や職種に関係なく、さまざまなビジネスの現場でも意思決定の方法として活用できます。
前述の「高品質で低コスト」など、議論する内容を決めた上で、メリット・デメリット、賛成・反対などの意見を出して、意思決定を行う材料にします。
物事のメリット・デメリットの違いが明確になる
プロコンは議論に参加している人が、それぞれが考えたメリット・デメリットを書き出していき、それらを確認することで議論の内容である物事にどのようなメリット・デメリットがあるのかを明確にすることができます。
メリット・デメリットが明確になれば、議論する物事について深い議論が行えるようになり、意思決定に役立つ有益な意見を出すことができます。
意見を整理しやすい
意見が整理しやすいのも、プロコンのメリットです。
プロコンは、メリット・デメリット、賛成・反対に分かれて議論を行うので、意見が整理しやすくなりますが、これは1人で考える際にも活用できます。
例えば、購入を迷っている商品があれば、購入するメリット・デメリットを書き出します。
頭で考えるよりも、メリットとデメリットを文字で確認した方が、考えを整理できるので、購入すべきか冷静に判断できます。
1人でも大人数でも関係なく、意見や考えを整理する方法として有効です。
反対意見を考える習慣が身につく
プロコンは、物事の賛成と反対、両方について考えるので、プロコンの思考を繰り返すことで、反対意見についても考える習慣が身につきます。
物事の賛成と反対、両方について考えられるようになると、正確で合理的な判断ができるだけでなく、判断するスピードも向上します。
これらの能力が身につけば、ビジネスだけでなく、人生のさまざまな場面でも活かせます。
プロコンの表の作り方と議論のやり方
プロコンの表の作り方と、表を使った議論のやり方について説明します。
まず、プロコンの表の作り方ですが、前述した「高品質で低コスト」を議論する内容とした場合、このように作ります。
<作成例>
議論内容:高品質で低コストを実現するには自社製造か外注か | ||
---|---|---|
メリット | デメリット | |
自社製造 | ||
外注 |
高品質で低コストを実現する方法として「自社製造」と「外注」の2つの方法を書き、それぞれのメリット・デメリットについて、書き出していきます。
1:議論内容を決める
表を作ったら、次に議論する内容を決めていきます。
ここでは、上記の表の最上段にある「高品質で低コストを実現するには自社製造か外注か」が、議論する内容ですが、議論する内容を絞ることができずに曖昧な状態だと、メリット・デメリットも曖昧になってしまいます。
これでは、意思決定に役立つ議論ができなくなるので、プロコンをする意味がなくなってしまいます。
プロコンで議題となる内容をできる限り決めた上で、プロコンを行うようにしましょう。
2:可能な限り多くの意見を出す
議論する内容が決まったら、次に意見を出していきますが、可能な限り多くの意見を出すようにしましょう。
出された意見は、上記のプロコン表に書き出して、議論の参加者全員に共有できるようにします。
同じ人が賛成・反対、両方の意見を出すよりも、賛成派と反対派の立場になりきるロールプレイで、意見を出すことも効果的です。
自分の考えが賛成であっても、反対派の立場で意見を考えることで、今まで思いつかなかった・気付かなかった新しい発見が見つかるかもしれません。
3:意見の重要度で点数を付ける
賛成・反対、両方の意見が出そろったら、次は意見の重要度に応じて点数をつけていきます。
ここで注意したいのが、点数は議論する上での材料にして、合計点数の高さで意思決定を行わないことです。
ここでつける点数は、シミュレーションなどを行った結果ではないので、実際の重要度とは別物だからです。
点数は、あくまでも議論を進めるための目安でしかありません。
5段階程度で点数をつけて、どの意見が何点なのか、分かりやすく表記しましょう。
4:重要な意見を議論する
各意見の重要度が決定したら、重要度が高い意見を中心に議論を行います。
ここでの注意点は、重要度が低い意見まで議論する必要がないことです。
全ての意見に対して議論すると、重要度が高い意見について議論する時間を割くことになり、十分な議論ができなくなります。
極端な例を出すと、いん石が落ちるかもしれない可能性があるという意見にまで、重要度が高い意見と同じ時間を割いて議論しても意味がないからです。
重要度が高い意見は、組織に影響を与える可能性があるため、重要度が高い意見を中心に議論を行っていきましょう。
プロコンで分析する際のポイント
プロコンで分析する際のポイントについて説明します。
幅広い意見を出し合う
できるだけ幅広い意見を出し合うにしましょう。
条件やコストにとらわれずに意見することも大切です。
「これは意味がないかも」と、遠慮する必要はありません。
自分が思いついた意見やアイディアを、議論に参加している人たちの誰かが思いつくとは限りません。
意見を聞いた人の中には、新鮮な意見に感じることが、珍しいことではないからです。
意見の重要度については、意見を出し終えた後に判断することなので、まずは、条件やコストにとらわれずに遠慮せず、自分の意見を出してみましょう。
大人数で議論を行う
議論する際は、大人数で行うことも重要です。
議論に参加する人数が多いほど、たくさんの意見が出てきます。
出てきた意見に対する意見も出てくるので、意思決定の精度を高めることができます。
議論の内容や、意思決定に至った理由についても、議論の参加者全員で共有できるだけでなく、自分が所属している組織の意思決定に参加しているという気持ちが生まれ、モチベーションのアップにもつながっていくので、可能な限り大人数で議論を行うようにしましょう。
意見が出しやすい環境を作る
大人数で議論を行っても、意見を言い出しにくい雰囲気・環境では意味がありません。
プロコンでは、意見が出しやすい環境を作ることが重要です。
会社などの組織には、若手社員から数年〜数十年のキャリアを持つ中堅からベテラン社員、役職者まで、さまざまな人がいます。
意見が出しにくい環境で、若手社員に意見を求めても、当たり障りのない意見しか出てこないかもしれません。
そのようなことがないようにプロコンを行う際は、リラックスできる雰囲気を作り、役職やキャリア、年齢を気にせず、参加者全員が意見を出しやすい環境を整えることが重要です。
まとめ
プロコンは、合理的かつスピーディーな判断が求められるコンサルタントにとって、有効な思考方法です。
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